忍者ブログ

あれこれきまぐれレビュー

アウトドア&フィッシング ナチュラム
Home > > 大番(獅子文六)

大番(獅子文六)

2015/09/07 (月) | カテゴリ:本

獅子文六著『大番』
昭和初期兜町を舞台に繰り広げる波瀾万丈、七転び八起きの相場師サクセスストーリー。

大番(裏表紙より)

【上巻】
愛媛の貧しい農家に生まれた丑之助は、富豪の令嬢・加奈子に手渡した“ガリ版刷りラブ・レター”事件をきっかけに、十八歳で家を飛び出し東京へ向かう。昭和初期の日本橋、たまたま住み込んだ小さな株屋で小僧として働くち、株の面白さに目覚めた丑之助は、独り立ちを決意、愛嬌のある性格と持ち前のカンで、相場師の道を突き進む!
不格好な体つきに強い田舎なまり。そのうえ金好きで女好き。だけど、どこか憎めない“ギューちゃん”が、カブト町を舞台に大活躍する、ど根性サクセス・ストーリー。
書評家・北上次郎がオススメする名作シリーズ第二弾!

【下巻】
丑之助を株の世界に導いてくれ、何かと可愛がってくれた富士証券の社長・木谷が自殺した。大恩人の死にショックを受けた丑之助は、株屋を廃業し、故郷の愛媛に戻る。
一応成功者と思われている丑之助は人々から一目置かれ、以前は雲の上の存在だった富豪の森家とも、東京の伯爵に嫁いだ憧れの加奈子ともなじみの関係になっていた。その森家から船を借りヤミ商売を始めるが、やがて太平洋戦争が勃発。丑之助の株屋魂に再び火がつく。終戦後、混乱のカブト町に舞い戻った丑之助は、事業を拡大する一方、零落した加奈子の世話を焼く。
豪快、昭和の相場師一代記。

レビュー

愛媛の貧農に生まれた牛のような容貌と性格の主人公・赤羽丑之助が、昭和初期の東京カブト町を舞台に、株の相場師として名をあげていく、七転び八起き、波瀾万丈の一代記。

この作品では、株の世界が中心に描かれているが、株に興味はなくとも苦痛は感じない。
むしろ、戦争や政策などによって変動する株価と、激動する昭和初期の日本経済や国情、そしてそれに翻弄されながらも、丑之助の粘り強い七転び八起きの生涯に深い印象が残る。

そして丑之助の株投機が、気持ちがいい。
機を見て買いまくり、さらに儲けを買いに回して買い続け、大勝ちする姿は爽快だ。
その分、負けるときも豪快。
それでもへこたれず挑戦する七転び八起きの姿は、快感さえ感じてしまう。

舞台もカブト町という狭い世界だけに留まらず、大きく負けて愛媛の故郷に引きこもり、金儲けの匂いがすればヤミ屋をやるために大阪へ。
丑之助の牛のような体と同様に、人生も『大番』なのである。

力強さに満ちた不屈の生涯が走馬燈のように甦り、感動と哀惜が入り交じった複雑な余韻が沸き起こる、魅力的な作品である。

北上次郎選『昭和エンターテインメント叢書』

  1. ごろつき船(大佛次郎)
  2. 大番(獅子文六)
  3. 半九郎闇日記(角田喜久雄)
  4. 昭和水滸伝(藤原審爾)
  5. 捜神鬼(西村寿行)

Comments

※本サイトと関連のない内容のサイトのURLが入力され、宣伝行為と判断した場合、コメントを削除することがあります。
名前
サイト(任意)
※コメント欄には、このブログのタイトル(ひらがな)を含めて入力してください。それがコメント承認ワードになっています。

格安スマホのUQモバイル。
ぴったりプランなら無料通話もコミコミ。
月額1,980円(1年間)。

ブログ内検索

最新記事

プロフィール

プロフィール画像:よそすけ

ブログランキング

  • blogramで人気ブログを分析
  • にほんブログ村 本ブログへ
  • にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
  • にほんブログ村 グルメブログへ
  • にほんブログ村 PC家電ブログへ
  • にほんブログ村 PC家電ブログ パソコン・周辺機器へ

アクセス解析

PR
忍者ブログ [PR]