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捜神鬼(西村寿行)

2015/10/18 (日) | カテゴリ:本

西村寿行著『捜神鬼』
動物との交わりで浮かび上がる主人公の精神的孤独と心の清廉を愉しむ。

捜神鬼(裏表紙より)

夜の国道で道路の中央に蹲っている少年がいた。彼は、一緒に暮らしていた老人が死ぬ間際に残した言葉を守り、飼っていた蟹が海岸で産卵しようと移動するのを、命がけで守ろうとしていたのだった。それを知ったドライバーたちは、最後まで少年が見守れるように動いた。しかし、蟹と少年には様々な難敵が襲いかかってくる(「妖獣鬼」)。
抜き差し難い心情が膨れあがっての、生き物たちとの深い関わりを描きながらも、「人間と動物はついにわかりあえないという断念を基調としている」(北上次郎)。
人間の孤独や哀しみの深奥に迫った、傑作動物小説集。

レビュー

北上次郎選『昭和エンターテインメント叢書』第五弾。

動物と交わる主人公の情景を描いた三編の短編を収録。
その地方で『なめそ』と呼ばれる、傷ついたスナメリとの交流を描いた【海獣鬼】
産卵のため自力で海にたどり着くまでアカテガニを見守る少年を描いた【妖獣鬼】
心に鬼を宿す余命わずかの女と、四匹の動物との命の交流を描いた【聖獣鬼】

簡潔な文章と状況を淡々と綴った物語は、その展開を楽しむというより、純真無垢な動物と触れ合うことによって浮かび上がる主人公の精神的孤独の味わいと、その悲しい境遇に変わりないものの、心に生まれた清廉な変化を堪能する内容に感じられた。

人間は、ときに相手の気持ちを自分勝手に想像し感じて、自らの心を傷つけてしまうことがある。
動物たちと交流することで心が癒されるのは、動物たちが人間を見つめる眼差しに社会的思惑がないからなのかもしれない。

北上次郎選『昭和エンターテインメント叢書』

  1. ごろつき船(大佛次郎)
  2. 大番(獅子文六)
  3. 半九郎闇日記(角田喜久雄)
  4. 昭和水滸伝(藤原審爾)
  5. 捜神鬼(西村寿行)

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