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野火(大岡昇平)

2015/01/11 (日) | カテゴリ:本

大岡昇平著『野火』
太平洋戦争末期、レイテ島を彷徨う兵士の極限状態の心理は凄まじい。

野火(裏表紙より)

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

あらすじ

敗戦濃厚のレイテ島で結核に冒された田村一等兵。
彼は病を理由に本隊から追放された。
患者たちの持ってくる糧秣で軍医たちが食いつないでいる状況の野戦病院でも、動ける田村は受け入れてもらえない。
田村は野火の立ち上るレイテ島を激しい飢餓に襲われながら彷徨い、草木を食べ、自分の血を吸った蛭を食らう。
やがて死んで間もない兵の屍体へ手が伸びる。
ぎりぎりで踏みとどまった田村が極限状態で感じたものとは何か。

レビュー

太平洋戦争末期、レイテ島を彷徨う一人の一等兵の極限状態における人間の心理を描いた作品。

ひたすら飢餓と戦い、生きるために彷徨う人間の姿は、読んでいて辛い。
果たして極限の飢餓状態で、死んだ仲間の肉を喰えるか。
生きるために死んだ仲間を喰うことは、果たして許されるのか否か。
極限状態になってみないと、誰にもその答えは出せないだろう。

ところで、本書は、丸谷才一著『文章読本』で「ごく稀なくらゐレトリカルな、しかもすぐれてレトリカルな作品である」として紹介している。
多くのレトリックの例文に『野火』の文章を引用して濃厚なレトリック技法の解説もなされており、本書の持つ文学的な魅力に触れることが出来る。
丸谷才一の『文章読本』と併せて大岡昇平の『野火』を読むと面白いかもしれない。

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